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名古屋高等裁判所金沢支部 昭和23年(ネ)31号 判決 1950年4月15日

主文

原判決を取消す。

控訴人の訴を却下する。

訴訟費用は第一、二審共控訴人の負担とする。

事実

控訴人は原判決を取消す。七尾市西湊地区農地委員会が別紙目録記載の不動産につき為した買収及び売渡の決定に対し被控訴人の為した承認を取消す。訴訟費用は第一、二審共被控訴人の負担とするとの判決を、被控訴人は控訴棄却の判決を求めた。被控訴人は、控訴人が被控訴人の為した前記承認を知つたのは昭和二十二年五月十五日頃であるところ、本訴の提起せられたのは昭和二十三年三月三十一日であつて出訴期間経過後になされた不適法のものであると述べた外当事者間双方の事実上の主張並に証拠関係は原判決事実摘示と同一であるからここに引用する。

理由

本訴は七尾市西湊地区農地委員会が別紙目録記載の不動産につき為した買収及び売渡の各決定に対し被控訴人の為した承認が違法なりとしてその取消を求めるものであるところ、控訴人が右承認のあつたことを知つたのは、被控訴人より控訴人に買収令書の送付せられた昭和二十二年五月十五日頃であることは原審の第一回準備手続に於て控訴人の自認するところである。しからば控訴人は自作農創設特別措置法附則第七条第三項昭和二十二年法律等七十五号(民事訴訟法の応急措置法)第八条の規定に則り右承認のあつたことを知つた日から六箇月内(昭和二十二年十一月中)に本訴を提起しなければならないにも拘らず本件訴状の受附印により明らかな如く本訴は期間経過後である昭和二十三年三月三十一日提起せられた不適法のものであるからこれを却下するの外はない。しかるに原審が本訴の出訴期間に関する調査を怠り慢然本案について裁判を為したのは失当であるから、原判決を取消して本訴を却下することとし訴訟費用につき民事訴訟法第九十六条第八十九条を適用し主文の通り判決する。(昭和二五年四月一五日名古屋高等裁判所金沢支部)

(別紙目録省略)

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